2023年3月17日
【2023年2月】
訪日インバウンド動向の速報
2023年2月の訪日インバウンドの動向について、JNTOより発表がありました。
本記事では、23年2月における訪日インバウンド客の国別の動向やコロナ前と比較した際の回復状況についてまとめております。
出典:JNTO(日本政府観光局)月次統計データ
https://www.jnto.go.jp/jpn/index.html
>>目次
1. 2023年2月の訪日客数
2023年2月における訪日インバウンド客の総数は、147万人となりました。
2022年10月に日本入国の上限規制が撤廃されて以来、急速に訪日インバウンド客数が回復しててきております。
2023年2月の訪日客数は、コロナ前(2019年2月)の260万人と比較すると、57%の水準まで回復しています。
2023年2月の訪日客数が147万人(コロナ前の57%の水準)であり、23年2月は前月1月より訪日客総数が減少しておりますが、これは、2月の日数が少ないことが影響しております。実際に日割りベースの訪日客数では、2月は、1月より9%ほど増えております。
2月時点では、中国からの訪日客がコロナ前2019年の5%ほどの水準であり、本格的な訪日インバウンドの回復には、中国からの訪日客が戻ることが不可欠になります。
2. 2023年2月の訪日客数(中国からを除く)
2023年2月の訪日客数は、コロナ前の2019年2月と比較すると、57%の水準まで回復しましたが、中国からの訪日客の回復は、2019年2月比で5%に留まっております。
中国からの訪日客を除いた回復水準を見てみると、2023年2月は、2019年2月比で、77%まで回復してきております(上記右図)。
コロナ前は、訪日客全体の3割ほどが中国からの訪日客であったため、中国からの訪日客が回復してないことが、訪日客の回復水準を押し下げております。
3. 2023年2月の国別訪日客数
2023年2月における国別の訪日インバウンド客数を見てみると、韓国からの訪日客数が圧倒的になっており、56万人が2月に日本に訪日しました。その後に台湾・香港と東アジア圏が続きます。
<23年2月国別訪日客数の順位>
- 韓国:56.9万人
- 台湾:24.9万人
- 香港:11.9万人
- 米国:8.7万人
- タイ:7.3万人
中国以外の多くの国において、訪日客がかなり戻ってきていることが分かります。
4. 2023年2月の国別訪日客の回復水準(コロナ前比)
上記の図は、2023年2月における訪日客数の国別の回復水準(2019年2月比)となります。中国を除いて、多くの国がコロナ前の水準まで回復してきていることが分かります。
ベトナムの数字が突出しているは、訪日客のうち、労働者や留学生が大半を占めることが要因となります。
ベトナム以外の国おいては、インドネシアとシンガポールが既にコロナ前の水準を上回っており、香港もコロナ前の水準までほぼ戻っております。
フィリピン・米国においても、コロナ前の90%超まで回復しております。その他の国においても、中国を除いて、60%超の水準まで回復しております。
5. まとめ
- 23年2月の訪日客数は、147万人(コロナ前2019年2月の57%の水準まで回復)
- 中国はコロナ前の5%までしか回復していない
- 中国を除いた23年2月の訪日客数は、2019年2月比較で77%まで回復している
- 多くの国において、訪日客が60%超の水準(2019年2月比較)まで戻ってきている
2023年2月現在において、日本と各国間との直行便やLCC(格安航空会社)便が完全に戻っているわけではありません。
今後、直行便やLCC便が完全に戻ったタイミング、そして、中国人訪日客が戻ってきたタイミングで、さらに多くの観光客が訪日するのは確実です。
2025年頃には、訪日客数が2019年の3,188万人の水準まで回復し、その後再度成長軌道に乗ることは間違いないでしょう。