2024年11月15日
【2024年10月】
訪日インバウンド動向の速報
2024年10月の訪日外国人旅行者の動向について、JNTOから発表がありました。
この記事では、2024年10月の訪日外国人旅行者の国別動向や、コロナ禍前との比較による回復状況をまとめています。
参考:JNTO(日本政府観光局)の月次統計データ
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
1. 2024年10月の訪日客数
>>目次
2024年10月における訪日インバウンド客の総数は、331万人となりました。
2024年10月の訪日客数は、コロナ前(2019年10月)の249万人と比較すると、132%の水準まで回復しています。
2024年10月の訪日客数が331万人(コロナ前の132%の水準)であり、前月の2024年10月287万人と比較しても、15%増えており、訪日インバウンド客の回復が継続していることが分かります。
2024年10月の中国人訪日客数は、582,800人となり、前年同月比で127.3%増加しました。これは、コロナ前の2019年10月と比較すると約15%の水準にあたり、3月の11%から若干の回復が見られました。
この回復の背景には、水際対策の緩和や地方路線を含む航空便の増便、国慶節の影響が挙げられます。具体的には、北京~新千歳間や大連~成田間、杭州~中部間などの直行便の増加が寄与し、日本へのアクセスが改善されました。
また、博多港や那覇港、八代港などへのクルーズ船の寄港も回復を後押しする要因となっています。
2. 2024年4月の訪日客数(中国からを除く)
2024年10月の訪日客数は、コロナ前の2019年4月と比較すると、54%の水準まで回復しましたが、中国からの訪日客の回復は、2019年10月比で15%に留まっております。
中国からの訪日客を除いた回復水準を見てみると、2024年10月は、2019年10月比で、84%まで回復してきております(上記右図)。
コロナ前は、訪日客全体の3割ほどが中国からの訪日客であったため、中国からの訪日客が回復してないことが、訪日客の回復水準を押し下げておりますが、戻りが鈍い中国からの訪日客を除くと高い水準まで回復していていることが分かります。
3. 2024年10月の国別訪日客数
2024年10月における国別の訪日インバウンド客数を見てみると、韓国からの訪日客数が最も多く73万人が10月に日本に訪日しました。その後に台湾・米国・香港・タイと続いております。
<23年4月国別訪日客数の順位>
- 韓国:73.2万人
- 台湾:47.9万人
- 米国:27.9万人
- 香港:19.9万人
- タイ:13.2万人
中国以外の多くの国において、訪日客がかなり戻ってきていることが分かります。
4. 2024年10月の国別訪日客の回復水準(コロナ前比)
上記の図は、2024年10月における訪日客数の国別の回復水準(2019年10月比)となります。中国を除いて、多くの国がコロナ前の水準まで回復してきていることが分かります。
特にインドネシア・シンガポール・メキシコ・米国・中東地域はコロナ前の水準をすでに超えております。
その他の国においても、ベトナム・香港・マレーシア・タイ・が90%を超える水準まで、英国・が80%の水準まで回復してきております(ベトナムの数字は、訪日客のうち、労働者や留学生が大半を占めることが要因となります)。
5. まとめ
・2024年10月の訪日客数は331万人(コロナ前2019年10月比で132%の水準)
・韓国、台湾、米国、東南アジアを中心に、多くの国がコロナ前の水準を超える回復を見せた
・地方空港への直行便やクルーズ船の寄港増加が、地方への観光需要を後押ししている
・11月は秋の行楽需要の本格化により、さらなる訪日客数の増加が見込まれる
秋の観光需要が高まり、地方空港やクルーズ船の活用により、主要都市だけでなく地方都市への観光需要も着実に回復しています。今後は中国市場の動向や航空路線の拡充がさらなる回復の鍵となり、2025年にはコロナ前の3,188万人を超える訪日客数が期待されます。