日本を訪れるタイ人観光客は年々増え続けており、その勢いは今後もしばらく続くと予想されています。旅行スタイルの多様化や情報発信力の強さから、今やタイ人旅行者はインバウンド市場における重要な存在として注目されています。
こうした中で問われるのが、宿泊施設が「もう一度泊まりたい」と思ってもらえる体験をどこまで提供できるかという点です。
宿泊そのものが旅の印象を大きく左右するからこそ、単なる寝床ではなく思い出をつくる場所としての価値が求められています。
この記事では、2023年のデータをもとにタイ人観光客の動向を読み解きながら、宿泊施設がいま打つべき具体的な施策について詳しく解説していきます。
タイ人観光客はどこに泊まっている?人気の地域に見える共通点

観光庁の統計によると、2023年の都道府県別のタイ人宿泊者数は、
東京(1,037,370人)、大阪(525,040人)、北海道(345,620人)、福岡(225,190人)、千葉(204,860人)が上位を占めています。
続いて京都(155,760人)、山梨(144,420人)、愛知(125,120人)と続きますが、長野(78,590人)や神奈川(71,740人)といった観光資源に恵まれた地域では集客につながっていません。
こうした偏りにはさまざまな要因があります。
情報発信力の差、交通アクセスの便利さ、そして何よりも「初めてでも安心して旅できるかどうか」という心理的ハードルが大きく影響しているのです。
また、多言語対応が不十分な施設は、それだけで選択肢から外れてしまう現実も見過ごせません。
「また来たい」と思わせる体験が、選ばれる宿をつくる
リピーター獲得のためには、「思い出に残る体験」が不可欠です。
タイ人観光客にとって、フォトジェニックな空間やSNSでシェアしたくなるようなユニークな体験は、旅の目的そのものになります。和のインテリア、美しい盛り付けの朝食、丁寧な接客──どれもが「また泊まりたい」と思わせる小さなきっかけになります。
特に喜ばれるのが、タイ語での案内やスタッフの簡単なタイ語での対応です。英語ができるとはいえ、母語でのやりとりは旅先での安心感につながります。
また、仏教国であるタイの文化的背景を踏まえ、食事内容や施設内の案内に宗教的な配慮を施すことも、信頼される宿になるための工夫には欠かせません。
地方ならではの強みを“滞在の目的”に変える

都市部から離れていても、独自の魅力を打ち出すことができれば、地方の宿泊施設も訪問先として十分に選ばれます。
たとえば、山梨や長野といったエリアには、美しい自然や温泉、地元の食材を使った料理など、都市部では味わえない体験が揃っています。実際に、山梨は14万人以上の宿泊者を記録しており、富士山ビューの宿やワイナリーツアーなどが徐々に人気を集めつつあります。
さらに、農業体験、着物の着付け、伝統工芸のワークショップなど、ローカルならではの体験は、タイ人旅行者にとって非常に価値のあるコンテンツです。
こうした体験と宿泊を組み合わせた「滞在型パッケージ」を打ち出すことで、宿自体が「目的地」へと進化するのです。
滞在後のコミュニケーションが再訪への鍵に
宿泊中の体験はもちろん大切ですが、旅行後のフォローアップもリピーター獲得には欠かせません。
たとえば、宿泊中に撮影した写真を後日送付したり、宿のSNSアカウントで滞在者の投稿に「いいね」やコメントを返すなど、ちょっとしたやり取りが強い印象として残ります。
また、LINEやInstagramといったタイ国内で利用率の高いSNSを活用し、季節ごとのイベント情報や限定キャンペーンを発信することも効果的です。
まとめ
宿泊者数のデータが示す通り、今はまだ地方エリアには開拓の余地が大いに残されています。そのポテンシャルを活かすためにも、宿泊施設側が積極的に「体験設計」「言語・文化対応」「SNSによる接点作り」といった取り組みを行っていく必要があります。
東京や大阪のような大都市ではなくても、「ここにしかない魅力」で旅行者の心をつかむことは十分に可能です。
東南アジア向けインバウンド集客支援ならBiz Asia

海外SNSマーケティングを成功させるには、ターゲット市場の特性を理解し、効果的な施策を実行することが不可欠です。しかし、自社だけで運用するには、SNSの特性やトレンドを把握し、適切な戦略を立てる必要があります。
「どのSNSを活用すればいいのかわからない」
「東南アジア向けのマーケティングを強化したい」
「インフルエンサーを活用して訪日観光客を増やしたい」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ BizAsiaのインバウンド集客支援 をご利用ください!
まずはお気軽にお問い合わせください。